AI(人工知能)は、私たちの暮らしやビジネスの在り方を大きく変える技術として注目を集めています。しかし、「AIとは具体的に何なのか?」「どのように使われるのか?」といった疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。
本記事では、初心者向けにAIの基本概念から、実際の活用例、導入時のポイントまでをわかりやすく解説します。また、AIの発展の歴史や今後の可能性についても触れますので、AIを学びたい方や導入を検討している方は、ぜひ最後までお読みください。
AIとは何か?

AI(Artificial Intelligence、人工知能)とは、人間のように学習や判断、問題解決を行うことができるコンピュータシステムのことを指します。AIは、プログラムによって膨大なデータを分析し、そこからパターンを見つけ出すことで、自律的にタスクを実行する能力を持ちます。
人間による目視、分析、作文、思考、翻訳といった様々な作業を代行できるレベルまで使用できることから、産業界での導入が急速に広まっています。
我々がお世話になっている電器産業分野においても画像処理を使った自動検査など、従来の画像処理技術では高性能機器でないと低遅延で処理できなかったものが低価格に実現できるなどAIを使った事例は数多く存在します。

AIには、以下のような特徴があるよ♪
AIの3つの主な特徴
- データ活用能力
- 大量データからパターンや傾向を見つけ、予測や意思決定に役立てる。
- 大量データからパターンや傾向を見つけ、予測や意思決定に役立てる。
- 学習能力
- 過去のデータに加え、新たなデータからも学びながら改善を重ね、より高精度な結果を出す。
- 過去のデータに加え、新たなデータからも学びながら改善を重ね、より高精度な結果を出す。
- タスクの自動化
- 人間が手作業で行っていた作業を、AIが効率用代替・自動化する。
これら3つの特徴にあるように、AIモデルの性能を決めるのは学習データといっても過言ではありません。大規模な学習データを保有しているシステムを使うことで、高精度な結果を導き出すことができます。
いいかえると、学習データが少なければ、それだけ期待する精度は得られないかもしれません。モデル自体の性能も重要ですが、いかに多くの学習をさせるかがキーポイントとなります。

まずは、AIがどのように発展してきたのかを見てみましょう。
AIの歴史:どのように発展してきたのか?
AIの概念は1950年代から存在していましたが、実用化が進んだのは近年のことです。ここでは、AIの発展の重要な節目を見ていきましょう。
- 1956年:「人工知能(AI)」という言葉が誕生。ダートマス会議で初めてAIの研究が議論される。
- 1980年代:エキスパートシステム(専門家の知識を模倣するプログラム)が登場し、産業分野で活用が進む。
- 2000年代:機械学習の進化により、データを活用したAIが実用化。大手IT企業がAIを搭載した製品を次々と発表。
- 2010年代:深層学習(ディープラーニング)が進化し、画像認識・音声認識技術が急速に向上。GoogleのAlphaGoが囲碁のプロ棋士に勝利するなど、AIの実力が証明される。
これらの歴史を振り返ると、AIブームは何度か訪れては消えてきたことが分かります。しかし、ブームが去った後も研究者たちによる地道な研究が続けられていたことで、現在の成果がもたらされました。
AIと聞くと、まるで魔法の道具のように何でも願いが叶うツールのような期待をいだくこともあるかもしれません。しかし、AIには得意・不得意があり、それを理解しながら上手に付き合うことで、より効果的な活用ができるでしょう。
AIの基本的な仕組み
AIの4つの主な技術
AIは主に以下のような手法を活用しています。
①機械学習(Machine Learning)
機械学習は、明示的なプログラミングなしに、データからパターンや規則を学習するアルゴリズムの集まりです。
教師あり学習
ラベル付きのデータを用いてモデルをトレーニングします。たとえば、スパムメールの分類では、過去のスパム及び非スパムメールのデータを基にモデルが学習します。
教師なし学習
ラベルがないデータを使って、データの背後にある構造を見つけます。クラスタリング (K-meansや階層的クラスタリング) などがあります。
強化学習
環境と相互作用しながら行動を学習する技術。ゲームプレイやロボティクスでよく利用されています。エージェントは、行動に対する報酬を得て、それを基にポリシーを更新します。
②深層学習(Deep Learning)
深層学習は、多層のニューラルネットワークを使用してデータから高度な特徴を抽出し、複雑なパターンを学習する技術です。
【構造】
畳み込みニューラルネットワーク (CNN)
主に画像解析で使われ、画像の特徴を捉えるために畳み込み層を使用します。例えば、物体検出やセグメンテーションで広く活用されています。
リカレントニューラルネットワーク (RNN)
時系列データや自然言語処理に特化した構造で、過去の情報を保持して繰り返し処理することができます。LSTM (Long Short-Term Memory) や GRU (Gated Recurrent Unit) が有名です。
生成モデル
GAN (Generative Adversarial Networks) やVAE (Variational Autoencoders) など、データの生成を目指すモデルもあります。
③自然言語処理(Natural Language Processing, NLP)
人間の言語に関連したデータを解析、理解、生成する技術で、テキストデータや音声データを処理するための手法を含みます。
【アプローチ】
テキスト解析
トークン化、ステミング、感情分析などにより、文書から有用な情報を抽出します。
情報検索
質問応答システムやチャットボットの構築に利用される技術です。GPTのような事前学習モデルが普及しています。
機械翻訳
ある言語から別の言語に自動的に翻訳する技術で、最近では深層学習を使った高精度な翻訳モデルが開発されています。
④コンピュータービジョン(Computer Vision)
【定義】
コンピュータが画像や動画から情報を取得し、理解するための技術です。
【技術的手法】
物体認識
画像中の物体を特定し、ラベルを付ける技術。RetinaNetやSSD(Single Shot multibox Detector)が人気です。
顔認識
特定の個人を識別する技術で、セキュリティや監視システムに活用されます。顔ランドマーク検出や顔埋め込み技術を用います。
画像生成・スタイル転送
GANを使用して新しい画像を生成したり、ある画像のスタイルを別の画像に適用したりする技術が進んでいます。
これらの4つの技術は、それぞれ独立しているだけでなく、組み合わせることで、より強力なAIシステムを実現できます。
たとえば、ディープラーニングを活用した自然言語処理技術によって、より自然な対話が可能になります。
コモンプロダクツは画像処理に強みを持っており、コンピュータビジョンと深層学習を組み合わせた「トレマス」や「Siiilhouette」を開発しています。
AIがどのように使われているか

AIは、身近な場面で多く活用されているよ♪
日常生活におけるAIの活用例

音声アシスタント
スマートスピーカーやスマートフォンの音声アシスタントが、会話や指示を認識して応答。

画像認識
写真アプリが人物を自動で分類する機能や、防犯カメラでの顔認識。

レコメンドシステム
YouTubeやNetflixで視聴履歴から興味を持ちそうなコンテンツを提案。
ビジネスにおけるAIの活用例

様々なビジネスの現場でも、AIは重要な役割を果たしています。

社内業務の効率化
経理業務や議事録作成など、社内の文書作成をAIが代行するサービスが増えています。

マーケティング
顧客データを分析し、購買層の傾向を把握することで、最適な広告やプロモーションの提案が可能になります。

製造業
AIは製造ラインの異常検知や品質管理に活用されており、産業用ロボットとの連携によって、自動化と精度向上を実現しています。

医療
AIを活用した診断支援や新薬開発が進んでおり、大量の医療データを解析することで、より精度の高い治療の選択肢を提供します。
弊社は主に画像処理技術を中心にAIを活用した開発に取り組んでおり、具体的な事例は以下のページで紹介しています。
近年はLLM(大規模言語モデル)の発展が目覚ましく、弊社でも社会実装に力を入れています。LLM活用事例については、公開可能になり次第追ってお知らせいたします。
AI導入のポイント
AIを導入するメリット
生産性向上
人が行っていた定型業務や単純作業をAIに置き換えることで、単純ミスの撲滅や業務の効率化によるコスト削減が期待できます。
データ活用
ビッグデータを分析し、あらゆる角度からAIで提案できる情報を示すことで人による判断材料も増え、最適な意思決定をサポートすることができます。
競争力の向上
AI技術を活用することで、大幅な作業削減や高速な分析による判断材料の提供が可能になります。
また、プログラミングや業務文書の作成サポートなど、人間が行っていた業務の時間短縮にも貢献します。
とはいえ、AIの活用は「使い方次第」「使い手のセンス」による部分も大きく、すべてが自動化できるわけではありません。今後も進化し続けるAI技術をどれだけ使いこなせるかは、市場での競争力を左右する重要な要素となるでしょう。
導入の際に考慮すべきこと
明確な目的設定
AIを導入する前に、「何をさせたいのか」「どの業務に適用するのか」を明確にすることが重要です。
目的が曖昧なまま導入すると、思ったような成果が出ず、コストや時間の無駄につながる可能性があります。
データの量と質
AIの精度はデータの質と量に左右されます。加えて、学習データをどのように構築するかによって処理速度や精度に影響がでますので、目的に応じた構成を考えましょう。
かならずチェックする
AIによる結果は正しいとは限りません。誤りが含まれることを前提とし、人間が最終的に確認し、必要に応じて修正できる仕組みを整えることが重要です。
弊社が提供するAIソリューションの導入プロセスについては以下のリンクよりFAQページをご覧ください。
AIがもたらす未来
AIは今後さらに進化し、私たちの生活やビジネスに革新をもたらすと期待されています。特に、インダストリアル分野においては、高齢化による熟練工や人材不足の課題を解決するソリューションが次々と生まれるでしょう。
また、画像認識や機械学習の進化により、より高度な問題解決が可能となり、これまで属人的だった作業の自動化が進むことが期待されます。ロボットと人が共存する社会も、もはや遠い未来の話ではなく、すぐ身近に感じられる時代が来るでしょう。
私たちは未来に向けて、画像処理技術を活用し、インダストリアル分野でのAIの可能性を最大限に引き出すことに挑戦しています。AIを活用した製品については、製品一覧ページ でご紹介していますので、ぜひご覧ください。
まとめ
コモンプロダクツでは、AIを活用し、人の「目」に相当する作業のロボット化(自動化)を推進しています。AIは目覚ましいスピードで進化を続けていますが、その本質を理解し、使いこなすことこそが、産業界での実績につながり、さらなる導入拡大へとつながると考えています。
また、AIは専門家だけのものではありません。初心者の方でも基本を理解することで、より有効に活用できる可能性が広がります。
AIは単なる技術ではなく、私たちの未来を切り拓く重要なツールです。この機会にAIを学び、その可能性を探求してみませんか?

AIと共存するミライ、とっても楽しみだね♪

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